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【後編】レインボーハウスはもう一つの家|陸前高田レインボーハウス譲渡式

あしなが育英会は、東日本大震災遺児のための心のケア活動の拠点として運営してきた陸前高田レインボーハウスを陸前高田市に無償譲渡し、2026年4月28日に譲渡式を開催しました。

あしながメディアでは、前後編に分けて譲渡式を特集。前編では譲渡式の様子をお伝えしました。後編(本記事)では、陸前高田レインボーハウスに通っていた震災遺児たちのストーリーをお届けします。

レインボーハウスは、もう一つの家のような存在だった

譲渡式では、陸前高田レインボーハウスを利用していた震災遺児を代表して、陸前高田市に隣接する宮城県気仙沼市出身の森谷悠斗さん(大3)が挨拶しました。少し緊張した様子で、次のように話していました。

私は東日本大震災の津波で母親を亡くし、その後、あしなが育英会とつながりました。小学生の頃から陸前高田レインボーハウスに通っていました。

当時の自分にとってレインボーハウスは、のびのびと過ごすことができる、もう一つの家のような存在でした。日常の延長にあるような、自然に足が向く場所でした。

レインボーハウスで野球をしたり、夢中になって遊んだりしたことが、記憶に残っています。そうした何気ない時間の中には、無理をしなくてもいい安心感がありました。振り返ると、それが自分の大切な支えになっていたと感じています。

レインボーハウスは陸前高田市へ譲渡されますが、この場所で過ごした思い出や、関わってくださった方とのつながりは、自分の中に確かに残っています。

寂しさもありますが、それ以上にこの場所が、これから多くの人にとって意味のある場所になってほしいと願っています。


レインボーハウスでの思い出を話す森谷さん

 

レインボーハウスで過ごした日々の先に

式典後、森谷さんは、館内の食堂にある「あしながさん身長板」を見つめていました(本記事トップ画像)。
身長板は、遺児たちがレインボーハウスのプログラムに参加する際に、当時の身長と名前、日付を刻んできたものです。

「これが、僕が初めてレインボーハウスに来たときのやつです」

森谷さんの人差し指の先には、「2015/9/10 悠斗」と書かれていました。
目線を少しずつ上にあげると、「2016/10/10 悠斗」、「2018/12/15 悠斗」……と、森谷さんの成長をたどることができます。
もちろん森谷さんだけでなく、数多くの震災遺児たちの成長の跡が残っていました。

身長板の前で、久しぶりに会ったレインボーハウスの職員と思い出話をする森谷さん(左)



陸前高田レインボーハウスのあしながさん身長板。市の施設となったあとも、身長板は維持されることになっている。



約12年間で、のべ1484人の震災遺児とその保護者が、陸前高田レインボーハウスのプログラムに参加しました。
遺児の仲間やファシリテーター遊んだり、語り合ったりしながら、自分の経験や気持ちと向き合ってきました。

今年3月11日の開館日には、レインボーハウスに通っていた震災遺児たちが顔を見せに訪れ、かつてレインボーハウスで同じ時間を過ごした遺児の仲間やファシリテーター、職員に、笑顔で近況を話していました。


「仙台の大学への進学が決まりました。震災後、あしながのみんなに育てられてきたので、次は自分が同じ境遇の人を支える立場になりたいです」と話す、卒業式を終えたばかりの高校3年生。
「母親として頑張っていることをみんなに伝えたくて、息子を連れてきました」と、赤ちゃんを抱く女性。


2014年6月29日の陸前高田レインボーハウス竣工式で、林田吉司東北事務所長(当時・故人)は、「子どもや保護者が、安心して泣いたり怒ったりして、将来を語ることのできる場所にしたい」と語っていました。

レインボーハウスを”居場所”にしていた子どもたちはいま、それぞれの道を歩んでいます。


おしゃべりする職員と震災遺児
 震災から15年目の「3.11開館日」で、職員(写真左)に近況を話す震災遺児の兄弟(2026年3月11日、陸前高田レインボーハウス)

震災遺児支援は今後も継続

本会は今後も、仙台レインボーハウスを拠点として震災遺児支援を続けていきます。
(仙台レインボーハウスは現在、対象者を震災以外の要因で親を亡くした子どもたちにも広げています)

石巻レインボーハウスは、陸前高田レインボーハウスと同様、今後地元還元を進める方針です。

陸前高田レインボーハウスが支援範囲としてきた三陸沿岸部において、今後も支援を必要とする遺児家庭、そして震災遺児一人ひとりとの関係を維持し、交流機会の提供などを継続してまいります。

用地取得や建設、維持管理にあたりまして、多くの皆様から温かいご寄付を賜り、また地域の方々からも深いご理解とご協力をいただきました。震災遺児向けのケアプログラムは、遺児に寄り添ってくださったファシリテーター(ボランティア)の皆様のご尽力により、続けてくることができました。

このほか、さまざまな形で陸前高田レインボーハウスと震災遺児を支えてくださったすべての皆様の支えに、深い感謝を申し上げます。
どうか引き続き本会の遺児支援活動を見守ってくださいますよう、心よりお願い申し上げます。

 館内のレインボーハウス建設募金ご寄付者銘板。
身長板と同様に、譲渡後も維持される。

 

 



前編をみる

投稿者

島田 北斗

2016年に新卒で入局。海外担当を振り出しに神戸の学生寮勤務、学生募金担当などを経て、現在は広報渉外課でメディアリレーションとオウンドメディア取材を担当。中四国エリア担当(教育事業)も兼務。高校、大学とあしなが奨学金を受けて進学した卒業生でもあります。

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